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190310【建築系展覧会】インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史@埼玉県立近代美術館

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概要

埼玉・北浦和にある埼玉県立近代美術館で近現代建築の展覧会が開催中である。テーマは「実際に建設されることがなかった建築」である。約40人の提案者ごとにコンセプトを示すドローイング・模型・書籍・ムービーなどが展示されていた。

扱われる作家は建築設計者だけではなく、アーティストも含まれている。以下に公式サイトからの「主な出品予定作家リスト」を引用する。

会田誠、安藤忠雄、アーキグラム、荒川修作+マドリン・ギンズ、ヤーコフ・チェルニホフ、ヨナ・フリードマン、藤本壮介、マーク・フォスター・ゲージ、ピエール・ジャン・ジルー、ザハ・ハディド・アーキテクツ+設計JV(日建設計、梓設計、日本設計、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン設計共同体)、ジョン・ヘイダック、ハンス・ホライン、石上純也、磯崎新、川喜田煉七郎、菊竹清訓、レム・コールハース、黒川紀章、ダニエル・リベスキンド、前川國男、カジミール・マレーヴィチ、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、長倉威彦、コンスタン・ニーヴェンホイス、山口文象(岡村蚊象)、岡本太郎、セドリック・プライス、エットレ・ソットサス、スーパースタジオ、瀧澤眞弓、ウラジーミル・タトリン、ブルーノ・タウト、ジュゼッペ・テラーニ、山口晃、村田豊

主な出品予定作家(アルファベット順):埼玉県立近代美術館公式サイトより

美術館の広報誌「ZOCALO #94, 2019 2/3月号」によれば、埼玉県立近代美術館館長で詩人の建畠氏が、ここ10年来温めてきた企画とのこと。ウラジミール・タトリン(1885-1953)の「第三インターナショナル記念塔(1919)」で始めて、最後は現代のザハ・ハディッド(1950-2016)の「新国立競技場(2012-15)」で締めるという「実現しなかった建築」の歴史。両者の間は、今後巡回する美術館のスタッフなどと協議して、出展作家が決まっていった。

感想

建築には基本設計と実施設計があり、基本設計の段階で中止になってしまったものを一般に「unbuilt アンビルト」と呼んでいる。

今回の展覧会を見ると、アンビルトにもいくつかの種類があることがわかる。

1つ目は、建てるつもりであったが、諸事情により建てられなかったもの。この代表は、ザハの新国立競技場である。建てる意欲があったにもかかわらず、実現しない理由は、主に「お金」の事情がほとんどと考えてよい。単に、建設資金が不足しているという問題だけではなく、利権の配分やそれにからむ権力闘争などもここに含まれる。

2つ目は、そもそも最初から建てるつもりはないが、思考実験としてプレゼンテーションしてみたもの。建築をテーマにしたアートといってもよい。実務的な建築関係者からみれば「机上の空論」と看做されることも多いが、建築の可能性を広げる効果がある。

建築は総合芸術といわれることがある。芸術というと、なにか小奇麗なイメージを持つひともいるかも知れない。しかし、実際に建物を建てるときには、さまざまな「泥臭い」行為を伴う。人間の裏側を見てしまうようなこともしばしばなのである。

このような現実の軛を取り払って、知的活動としての建築を解放することが、2つ目のアンビルトプロジェクトなのである。これは、現実の枠組みを超えた、次世代の建築パラダイムを生み出すには有効といえる。

この展覧会によって、制度的な建築の内側から時代の枠組みを更新する活動の一端に触れることができるだろう。

実際に建物を建てることだけが建築ではないのだ。

参考情報

展覧会情報

インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史
2019年2月2日 (土) ~ 3月24日 (日) 埼玉県立近代美術館

休館日:月曜日
開館時間:10:00 ~ 17:30 (入場は17:00まで)

展示物リスト(PDF)

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